摘要: |
2011年3月11日に東日本大震災が発生し 福島第一 原子力発電所で事故が起こった.その後,日本の電力シ ステムの見直しの必要性が強く認、識され,2012年には固 定価格買取制度(FiT : Feed-in Tariff)が開始された.
その中で,洋上風力発電の導入が日本で進まない主な 理由の1つは,一般海域を長期間占有するルールが無か ったことである.その対策として,内閣は新法「海洋再 生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促 進に関する法律」を承認した.これは2019年4月1日に 施行された.この法律に関連して,2019年6月に経済産 業省(METI)と国土交通省(MLIT)は,促進区域のガイドラ インと,事業者を選定する為のマニュアルを作成した. これにより,今後多くの風車が日本の海に設置されると 考えられる.
ただし,拠点港の詳細はまだあまり議論されていない. 促進区域と事業者が選定され,風車の設置作業などの SEP船が準備されたとしても,それらを組み立てて実行 する為の拠点港が用意されていなければ,洋上風力発電 の導入に対する大きな障害になる.その為本稿では, 風況などを考慮して,促進区域に指定される可能性の高 い自治体を想定し,また,洋上風力発電の規模と設置時 間から必要な拠点港を算出する.そして,その為に必要 な対策をまとめ,洋上風力発電の着実な導入を目指す. |