摘要: |
二輪車事故の運転者死傷者数(1,2当合計)は車両相互事故が95%(2015~2019年累計以降同じ。)を占めている。その車両相互事故の相手は四輪車が92%を占めており、二輪車事故の多くは対四輪車の事故であることが分かる。さらに事故類型をみると出会い頭事故が一番多く、右直事故が二番目に多い。四輪車事故では右直事故は少なく、二輪車事故では右直事故が多いことが大きな特徴となっている(図1)。この右直事故において、四輪車は右折車両かつ第1当事者(事故に関与した運転者で過失が最も多い者、過失が同程度な場合は人身傷害程度が軽い者)、二輪車は直進車両かつ第2当事者の場合が二輪車と四輪車の右直事故の91%を占めている。本研究ではこの場合の右直事故について分析していく。また、二輪車事故の事故類型を昼夜別でみると、夜間においては右直事故が最も多い事故類型となつている。右直事故の昼夜の二輪運転者の死傷者数(1,2当合計)は同程度であり(図2)、後述するように、事故リスクという観点では、夜間が昼間よりも高くなる。本研究では右直事故に関して夜間に焦点を当て、右直事故の特徴を分析し、右直事故削減の方向性を示す。 |