摘要: |
交通行動モデルの研究では,かねてより情報化で交通はなくなるか?という議論がされてきた。2000年代くらいまでは情報で交通は「誘発」されるという研究が多かったが,10年代に入って「代替」できるかもといった結果が散見されるようになり,20年代になって「代替」せざるを得ないとなる。理由はCOVID-19だが,急速な社会変化はZ世代を中心とする(無人化するユニクロよりネットネィティブなシーインなどの)Eコマース消費の急増やSNSにおけるバリアレスなさまざまな情報交換の場の形成とも関係している。海外と比して日本の実社会の交通コストの高さを始めとするさまざまな実態としての移動の障壁が改善される気配がないなか,新たなサービスがハイサイクルに更新されていくことでネットへの依存度は高まる一方だ。むしろネットの世界に追従するようにオートノーマス·アーバニズム(自動化に対応する都市生活様式と都市計画)を通じて都市そのものが自動化しやすいように更新されていく,そこに向けて膨大な動画·画像·テキスト·選好の表明と連鎖が新たな移動欲求を生成し都市そのものの変容を駆動し続ける。ましかしそんなに簡単に情報と交通の融合が進むのか?疑念を持つ人もいるだろう。 |