摘要: |
自動車からの排出ガスに対する規制は,近年目まぐるしく変化している。その行方は多少の揺り戻しも見受けられるが世界的に強化される模様で,今後10年から20年で電動化が急速に進むと考えられている。従前は国·地域により2種類の規制が存在していた。1つ目は燃費規制である。例えば欧州連合(European Union,EU)加盟国では乗用車の走行距離あたりCO_2排出量が規制され,2021年に95g/kmとなり,2030年には60g/kmと強化される見込みである。米国では走行距離あたりのガソリン使用量が規制され,政権によりその値が上下してきた。2つ目は排出ガスを出さないゼロエミッション車(Zero Emission Vehicle,ZEV)規制である。30年以上の歴史があるが,米国カリフォルニア州等一部にとどまっていた適用地域·国が近年急拡大し,その内容も急速に強化されている。EU加盟国では2035年以降の新規販売車にガソリン·ディーゼルなどの化石燃料使用を一切禁止する案が示されており,厳格に適用されればハイプリッド車(Hybrid Vehicle,HV)やプラグインHVも販売できない。米国でも経済規模が大きなワシントン州,カリフォルニア州で2030年,2035年にそれぞれEUに近い規制が導入される見通しである。カリフォルニア州の年間自動車販売台数は200万台程度であり,その市場は国レベルの大きさである。わが国においてもHVを除外しないマイルドなZEV規制が2030年に東京で,2035年には全国に導入されることが予定されている。今後はアジアも含む世界中でZEV規制が主流になると考えられる。 |