摘要: |
Q最近,NEXCO東日本発注の舗装工事で「遮水性基層」という名称の混合物の施工が増えています.これはどのような混合物なのでしょうか.A路面から浸入した水が舗装の深層部および路床以下の層の健全性を低下させる一因となっていることは広く知られているところです.東日本,中日本,西日本高速道路㈱(以下,NEXCO)では,アスファルト混合物による遮水としては,橋面のレべリング層用混合物について研究を先進させてきました.従前,この層には砕石マスチックアスフアルト混合物(SMA)を採用してきましたが,この混合物は施工時の外気温,混合物温度,舗設基面温度により仕上がり品質が左右されやすいものでした.橋梁レべリング層は,舗装としての性能のみならず,床版防水層と密着し一体となって防水性能も発揮することが求められる層であり,この層の品質を確実に確保することは必須の条件でした.NEXCOでは,このような課題を払しょくする新たな橋梁レべリング層用混合物として「FB13」(混合物底面が緻密で平滑に仕上がる骨材最大粒径13mmのアスファルト混合物:Flat Bottom,Top=13mm)を2014年より導入しました.この混合物は,最密充填に近い骨材の合成粒度を採用することにより,温度依存性の高い混合体であるアスファルトマスチックの挙動によらず骨材自身で密実な構造を構築する,という概念を基軸に生み出されたものです.最近,NEXCO東日本発注の舗装工事で採用数が増えている「遮水性基層」とは,このFB13の配合概念を踏襲した,土工部の基層用混合物のことです.FB13は,多種粒径材料において最大乾燥密度が得られる粒度を表す「Fuller曲線」(式(1))をベースに研究が進められてきました.Fullerによると,式(1)の乗数nが0.5のとき,最大乾燥密度が得られるとしています. |