摘要: |
大学で農業環境工学を学んだ私は,舗装会社に入社して施工現場に従事した後,1998年に技術研究所に配属となりました.その後は,2〜4年ごとに研究開発部門と技術営業部門に交互に配属され,2021年度より技術研究所で勤務をしています.ずっと若手だと思っていた私も50歳を過ぎ,いつしか相談を受けることのほうが多くなつたように感じます.振り返ると,技術研究所勤務では配属のたびに研究室が変わり,ほぼ全員の上司•先輩に従事してきました.そのため,様々なテーマや技術について広く学ぶことができた反面.専門性を磨くことができず,当時は研究職としての自信が持てずに悩むこともありました.一方で,技術営業としては,一応の知識はあるものの,発注者や顧客のニーズや要望を的確にとらえることができず,独りよがりの説明となることも多く,完全に自分を見失っていたと思います.その後,ある程度の経験を積んで,自分が研究開発に携わった技術や工法を提案•営業ができるという恵まれた環境にあることに気がついてからは,ようやく前向きな取組みを行うことができるようになつた気がします.このような経歴により,舗装技術にかかわるようになって25年が経過しましたが,いつの時代も『環境』がキーワードとして挙げられてきたと思います.舗装技術の環境としては,地球•社会環境や都市環境,沿道環境など様々な要因や区分があります.そこで,本稿では,これまでに私が経験してきた思い出深い環境舗装技術について,開発当時の話とこれからの期待について述べたいと思います. |