摘要: |
コンクリート床版の防水材の変遷と現在はどのような材料が使われているのか,各材料の特徴を教えてください. 路面上の雨水が床版のひび割れに浸透するとコンクリート床版の疲労寿命が著しく低下することが明らかになつたことから,橋面舗装を行う際に床版上面を防水するようになりました.防水材としては主に,その上に舗設されるアスファルト混合物の熱によつて溶融一体化するァスフアルト塗膜系防水材ゃ加熱溶融した貼付用ァスフアルトを流し込んで防水シートを溶着させる流し貼り型のシート系防水材が採用されました.特に補修工事においては,床版面の不陸に防水材が追従することが重要となることから,シート系防水材よりもァスフアルト塗膜系防水材の採用が多くなつているようです.しかし,塗膜系防水材は,アスファルトフィニッシャゃ合材ダンプなどの重機のタィャの走行によつて防水材がタィャに付着して剥がれてしまい,現場の施工品質が損なわれる事例が見られます.この対策として,重機の夕イヤへのべたつきを抑えた夕イャ付着抑制型のァスファルト塗膜系防水材が開発され,現場に適用されています.一方で,夕イヤ付着抑制型のァスファルト塗膜系防水材は,その上に舗設されるアスファルト混合物に含浸して十分に一体化することも特徴としているため,レべリング層(基層)下面のアスファルト量が多くなり,混合物の塑性変形抵抗性を低下させやすいことが課題として 挙げられました.そのため,近年では,塑性変形抵抗性を低下させにく く改良した改質アスファルト塗膜系防水材も現場に適用されてきています.さらに,施工温度が50℃程度低く設定された低炭素型改質ァスフアルト塗膜系防水材が開発されており,CO_2排出量削減にも寄与可能な技術の現場採用も進んでいく予定です. |