题名: | 殊更赤無視による危険運転致死傷罪をめぐる交通事件に関する質問と回答 |
正文语种: | jpn |
作者: | 城 祐一郎 |
摘要: | 質問殊更赤無視による危険運転致死傷罪の成否についての質問です。『ケーススタディ危険運転致死傷罪(第3版)』373頁では、赤色信号を認識した地点が交差点停止線の直近であつたため、これを無視して進行した行為が、「殊更赤無視」ではないとして無罪とされた平成28年11月7日千葉地裁判決が不当極まりないものであるとして紹介されていますが、この度、令和2年3月、東京都葛飾区内で青色信号に従って横断歩道上を歩いていた親子が赤色信号を無視した車両にはねられ、子供が死亡し、父親が重傷を負うという事故が発生しました。新聞報道によると、この被告人は、捜査段階では、交差点よりだいぶ手前で赤色信号を発見し、それをあえて無視して交差点に進入したと供述していたものの、公判では、それをひっくり返して交差点の直前で赤色信号を認識したと主張を変えたとのことです。このような主張の変更は、上記の千葉地裁判決を意識して無罪を獲得するための法廷戦術としてされたものだと思われますが、この種の弁解などに対し、交通事件捜査に携わる我々としてはどのような対処が求められるのでしょうか。 |
出版年: | 2022 |
期刊名称: | 月刊交通 |
卷: | 53 |
期: | 9 |
页码: | 64-73 |