政策レクチャーシリーズ第4回陸上旅客運送の規制改革と公的関与: 鉄道事業と乗合バス事業を中心に

[国外交通期刊数据库] 作者:酒井　裕規

摘要:我が国の鉄道事業と乗合バス事業は，1990年代後半から2000年代初頭にかけて，需給調整規制および価格規制に関わる改革が行われ，巿場圧力による事業者の効率化に向けた枠組みが導入されることとなった。本稿では，鉄道事業と乗合バス事業の規制改革.さらに鉄道事業に関しては鉄道インフラの整備の評価と公的関与の在り方について，正司健一氏(神戸大学名誉教授(以下，正司とする))にインタビューを行い，改革の評価やプロセスにおける問題点について，意見を伺った。

モビリティ基本法で提起されたフランスにおける移動の課題とその対処措置(第2回): フランスのMaaS

[国外交通期刊数据库] 作者:ヴアンソン藤井　由実

摘要:本号では本誌2021年7月号に引き続きモビリティ基本法(以下，LOM法という)と，フランスにおけるMaaSの状況について紹介する。TGV(高速鉄道)など大型プロジェクトに過大な投資が行われ，国民の日常レベルでの交通の充実化が軽んじられてきたことを反省して，LOM法では既存の移動ネットワークの近代化に重点を置くことを目標としている(第1条,第2条)。道路，鉄道，水路のネットワークの維持とアップグレードを中心として,5つの優先投資プログラムがあり，中でも鉄道への投資が突出している。2018～2022年度の交通分野における予算は137億ユーロ(約1兆7,810億円)であり，2013～2017年度と比較して40％増加し，このうち4分の3が鉄道に充てられた。また次期2023～2027年度の予算も143億ユーロが予定されている。

ポストコロナ時代の観光戦略

[国外交通期刊数据库] 作者:黒須　宏志;堀　雅通

摘要:堀：本日は「ポストコロナ時代の観光戦略」と題して，新型コロナウィルス感染症が観光に及ぼした影響を振り返るとともに，日本の観光の今後を展望したいと思いますが，黒須さんが観光を研究するきっかけは何だつたんですか？黒須：観光に携わるきっかけになったのは学生時代のサークル活動です。私は関東出身ですが，京都の大学に進学し，あるとき掲示板で観光ガイドのアルバイトをするサークルがあることを知ったんです。「せっかく京都に出てきたのだから観光に関わらなくては」という単純な動機でそのサークルに入り，小学生の修学旅行のガイドをしました。

ポストコロナ時代を見据えたJNTOの取組について

[国外交通期刊数据库] 作者:蔵持　京治;小松原　早貴

摘要:新型コロナウィルス感染症(以下，「新型コロナ」という。)の流行は各国の国際観光に大きな打撃を与えた。日本においても例外ではなく，近年目覚ましい勢いで成長を続けていた訪日外国人数は新型コロナの影響で大きく落ち込むこととなつた。過去にも2003年SARS,2009年金融危機，2011年東日本大震災で，訪日外国人数が'大幅に減少したことがあつたが，いずれも回復しており，新型コロナも収束後に国際観光が再開された際には訪日外国人が戻ってくることが見込まれる。今回はこれまでの訪日外国人旅行巿場の状況やJNTOの取組を振り返るとともに，新型コロナ収束後のポストコロナ時代に向けたJNTOの取組について紹介し，地域での今後のインバウンド施策の展開を検討する際の一助となるよう必要となる方向性を述べる。

諸外国におけるワクチン普及と移動に関する制限の緩和に向けた動向

[国外交通期刊数据库] 作者:菅野　正洋;池知　貴大

摘要:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は，人の移動や接触によつて拡大するというその性質から，まさに「人が移動·接触(交流)する」ことを前提としている世界の観光にも多大な影響を与えている。—方，このCOVID-19に対しては，各国で集中的なワクチン開発と迅速な治験が行なわれており，現在までに複数のワクチンが実用化された結果，我が国を始めとして世界的に急ピッチで接種が進められている状況がある(図1)。

社会変化に左右されないホテル経営

[国外交通期刊数据库] 作者:龍崎　翔子

摘要:新型コロナウィルスが及ぼしてきた影響の大きさは計り知れない。ホテル業界も，この1年，かなり厳しい状況に直面してきた。コロナ禍の中，「Go Toトラベルキャンぺーン」「ワーケーション」「三密対策」といった言葉が，キャッチーな話題として飛び交っている。しかし，これらもいつかは消え去るもの。本稿では，コロナに関わらずどのような時代においても通用するような，社会の変化に左右されずに生き残つていくホテルについて，私たちの考え方をお伝えしたい。

これからのグループ経営

[国外交通期刊数据库]

摘要:高橋:本日は「これからのグループ経営」と題してお話をしたいと思いますが,佐野さんはどのような経緯でグループ経営のコンサルティングに従事されるようになったのですか？佐野:もともと私は銀行に入行し,法人向け融資や渉外業務といった営業に10年ほど従事しました。その後,現在勤めている会社に移籍したのですが,当時は持株会社化後の事業運営について企業から相談を受けることが多かったこともあり,グループ内の組織再編やガバナンスの整備,グループ経営計画の策定や経営体制の構築に多く携わることになりました。

グループ経営の新たなチャレンジ: ベンチャー企業とのビジネス共創

[国外交通期刊数据库]

摘要:——まずは御社が設立された背景を教えてください。柴田:当社は2018年2月にJR東日本によって設立されたCVC(コーポレートベンチャーキヤピタル)です。もともとJR東日本にはグループ内で技術開発をしたり,新たなビジネスのアイデァを考えたりする風土がありましたが,近年は本格的な人口減少社会の到来や社会の急激な変化への対応に迫られ,これまでのような自前主義には限界があるという強い危機感を抱いていました。一方でJR東日本が設立後30年かけて培ってきた鉄道インフラゃ駅ナカビジネス,Suicaなどのリソースをもっと活用したいという渴望感も抱いていました。

鉄道会社の事業ポートフォリオ再構築とデジタルを活用した事業の着眼点——コロナ経験を踏まえて

[国外交通期刊数据库] 作者:佐野　則子

摘要:野村総合研究所は,2020年9月4～5日に鉄道(新幹線以外)利用に関する不安理由や今後の利用意向を把握するため,全国47都道府県の20代から60代を対象とした「新型コロナウイルス感染拡大による鉄道利用等に関する意識調査(鉄道利用等に関する調査)」(回答者数2.074人)を実施した。その結果,鉄道利用者の82%が「鉄道車両内」に不安を感じ,不安を感じない人は8%にとどまった。

四日巿湊と四日巿旧港港湾施設の歴史

[国外交通期刊数据库] 作者:堀越　光信

摘要:四日巿の湊は,古くは室町時代の1473(文明5)年の伊勢神宮の記録に「四ケ巿庭浦」(四日巿場の港湾施設の意味)という記述があることから,これ以前から湊が存在したことが知られている。また,伊勢巿の『大湊文書』にも「四日巿船」の記載がみえており,四日巿湊を本拠地とする船の入港が確認できる。